末期の水

10月28日夕方、遊園地から帰宅すると、ノコギリ♂がひっくり返っていた。
寿命が短いので覚悟していたが、ついにこの日が来た。
8月15日に採取したので、2か月半、家族の目を楽しませてくれた。

9月初めに符節が取れ、このまま弱るかと思っていたが、
意外に丈夫で、四六時中ゼリーにかぶりついていた。
弱ってきたかなと思ったのは10月半ば。気温が20度割り出してから。
動きが極端ににぶくなり、マットにもぐる元気もない。
ゼリーも残すことが多くなってきた。

ただ、霧吹きをすると、止まり木に寄ってきて、水をなめていた。
今、考えるとゼリーを食べる元気がなくなり、水分補給をしていたのだろう。
人間で「末期の水」という言葉があるが、それに近い感じだ。

ペットとしては、昆虫はつまらないと思っていたが、
死ぬ直前に決死の産卵をしてくれた♀といい、
人間ドラマならぬ昆虫ドラマを見せてくれる。
短い生涯だけに、それがさらに際立つのであろう。
♂48ミリ、♀30ミリ。8月から10月まで、本当にご苦労様でした。

ということで、家にはノコギリのペアが残してくれた卵2個があるのだが、
割り出しから明日で2週間だが、孵化する気配はない。
それどころか、萎んできた感じがする。

霧吹きで定期的に湿り気は与えているのだが、やはり無精卵か…。
まあ明らかにダメになるまで、気長に待つしかない。